体脂肪計や体組成計がお手頃な値段になったので多くの人が買い求め体重管理に活用されています。私たちは体重や体脂肪率を重視しますが、筋肉量を見たことはありますか?!私自身、気にしたことがありませんでした。
しかし筋肉は身体のなかのポンプの役割があるので多いほど代謝や血行が良くなりダイエットをはじめ様々なことにプラスにはたらきます。
今回のテーマは筋肉量について、ネットでタニタの体組成計を使って筋肉量を測り「少ない」と指摘された人が「おかしいの?!」と皆さんに問われていました。私たちの身体にとって筋肉量はどれくらい必要なのか?!
その基準や鍛え方などについて調べます。
目次
体脂肪計・体組成計とは
体重はもちろん、体脂肪率や筋肉の量を測ることができる機械です。日本では多くのメーカーが販売していて、なかでもタニタやオムロンなどは人気ですよね。測ることができるものを挙げます。
- 体重
- 体脂肪率
- BMI
- 基礎代謝
- 体内年齢
- 内臓脂肪レベル
- 筋肉量
数値として表示されませんが、水分量も計測されています。BMIとはボディマス指数という世界保健機構が提唱する私たちの身長と体重から算出する体格指数です。18.5~25未満が正常値です。
基礎代謝とは生きているだけでその人が代謝しているエネルギー、この数値が高いほど太りにくいことはおわかりいただけると思います。機械で体内年齢がなぜわかるのか?!不思議ですよね。各メーカーは基礎代謝をもとに算出しているのです。
筋肉量とは
さて主題の筋肉量ですが、骨格筋や平滑筋や水分量を合わせたものを筋肉量として表示しているメーカーもあれば骨格筋のみを測定する骨格筋率を表示するメーカーもあります。
筋肉量はその重さを示します。筋肉は心臓を動かしたり姿勢を保ったり血液を循環させるポンプ役になったりする大切なものですが、普通に生きていても20代を境に少しずつ減少していきます。
タニタに酷評される理由
ネット上で他のメーカーではそうでないのにタニタの体組成計に「筋肉量が少ない」と指摘されショックを受けている人がいるのを知り、気になったので理由を調べてみたら、理由が明らかになりました。
筋肉組織の状態を細かく算出しているから
メーカーによって体脂肪計・体組成計の強み弱みはありますが、タニタの強みはこの筋肉量を細かく算出できるというところです。20代を超えると加齢や運動不足によって筋肉量が減少するのはお伝えしましたが、タニタは筋肉量だけでなく筋繊維に注目しています。
筋肉は筋繊維と筋肉をとりまく水分や脂肪やコラーゲンといった組織の集合体なのですが、加齢とともにこの筋繊維の質も落ちることがわかっているからです。
つまり筋肉量だけでなく質や状態を知る必要があるのです。タニタはこれを数値化することに成功し点数で評価できるようにしています。タニタがおかしいのではなく他のメーカーと評価の仕方が違うし筋肉量の詳細がわかるからです。
プラスに考えると筋肉量の状態を詳しく知り(たとえショックを受けても)早期に対策を講じることができますよ。
筋肉量が減少してしまう理由
前述したとおり筋繊維と水分や脂肪などが束になって集まったものを筋肉と言いますが加齢とともに筋繊維の委縮が始まり減少していきます。
筋肉には遅筋線維(持久力に長けた筋肉)と速筋繊維(瞬発力に長けた筋肉)があって、特に速筋繊維の衰えが顕著にあらわれます。
言われてみると若い頃はつまずいたとき片方の脚を出してすぐに体制を戻し怪我を防止できましたが、加齢とともにそういった機敏な動きができなくなり転んでしまう、たとえ転ばなかったとしてもどこかの筋を痛め「年取ったな」と感じることが増えましたよね
。何よりも重要なのは足の筋肉、ふくらはぎが血液を循環させる第二の心臓と言われているように、足の筋肉量が減少すると代謝が低下し肥満や老化を加速させてしまいます。
筋肉量はどれくらいあればいい?!
筋肉量を求める計算式でご自身の筋肉量を算出してみてください。必要なのは体重と体脂肪率です。
- 体重×体脂肪率=体脂肪量
- 体重-体脂肪量=除脂肪体重
- 除脂肪体重÷2=筋肉量(およその数値)
- 筋肉量÷体重=筋肉率
事例として身長170㎝で60㎏で体脂肪率が25%の男性で計算してみます。まずは60㎏×0.25(25%)=15㎏、60㎏-15㎏=45㎏、45㎏÷2=22.5㎏、筋肉量はおよそ25㎏です。次に筋肉率を計算します。22.5㎏÷60㎏=0.375(37.5%)この男性の筋肉率は身体全体の37.5%です。
【男性の平均】
筋肉量 BMIが24.9以下=22㎏ BMIが25以上は24㎏
筋肉率 低い→30.9以下 標準→31~34.9% やや高い→35~38.9% 高い→39%以上
【女性の平均】
筋肉量 BMIが24.9以下=14㎏・BMIが25以上は17㎏
筋肉率 低い→25.9%以下 標準→26~27.9% やや高い→28~29.9% 高い→30%以上
ちなみに、BMIの算出方法は体重÷身長×身長です。事例に挙げた男性を計算したら20.76(60÷1.7×1.7)でした。平均値を見るとこの男性の筋肉量・筋肉率はやや高めであることがわかります。
これらの数値から言えることは、筋肉量が多いけれど筋肉率が低い方は基礎代謝は高め、脂肪率を減らすためにウォーキングや水泳などの有酸素運動をすると良いです。
逆に筋肉量が少ないけれど筋肉率が高めの方(ウォーキング好きやマラソンランナーに多い)は基礎代謝を高める必要があります。速筋繊維を鍛えましょう。
タニタの点数で言うと・・・
タニタでは筋組織の状態を「筋質点数」と名付け評価しています。点数を見たところでタニタの体組成計を購入しないことには意味がありませんが、気になるのでこの記事を読んでくださっている世代の点数をご紹介します。
【男性の標準値】
- 18歳~20代→55~81点
- 30代→53~79点
- 40代→49~76点
【女性の標準値】
- 18歳~20代→60~87点
- 30代→59~84点
- 40代→56~79点
自分の点数を知りたい、タニタの体組成計が欲しくなってきましたね。
筋肉量を増やす方法
アスリートや特殊な職業でない限り社会人で十分な筋肉量を持つ人は少ないです。ここからは筋肉量を増やす方法について考えます。
身体を締めることを考えるとウォーキングやヨガなどを連想します。心拍数を上げ脂肪を燃焼させるのには効果的ですが、前述したとおり加齢とともに顕著に減少する筋肉を維持するには瞬発力に長けた筋肉を鍛える(速筋繊維)必要があります。私たち一般人にできる速筋繊維を鍛える方法をご提案します。
自転車
速筋繊維を鍛えるのに効果的なのが自転車の立ちこぎです。立ちこぎ=坂を上るときや速く進みたいときにしますよね。ひと気がない場所を選んで立ちこぎで坂を上ってみましょう。ひざ(大腿四頭筋)がパンパンに張るのがわかります。ただし、スラリとした肉体美を追究する女性はやりすぎは禁物です。速筋繊維は肥大するので太腿やふくらはぎが大きくなってしまうからです。しかし筋肉がないブヨブヨの足も恥ずかしい、ある程度は鍛える必要がありますよ。
スクワット
スクワットは下半身を鍛えるのに効果的なトレーニング法であり、誰でもお金をかけずに行える方法です。
- 足を肩幅に開き両腕を床と平行に上げて伸ばす
- この状態を保ったまま膝をゆっくりと曲げ90度の位置でキープする
- 同じようにゆっくりと上体を起こす
上記の動作を繰り返します。筋肉はその部位を意識しないと意味がありません。テレビなどを消して行うことをおすすめします。
腹筋と背筋
速筋繊維を鍛えるには短時間で高負荷をかけることがポイントになりますが、自宅でのトレーニングで補助する人なしにそういった筋トレは身体を傷める危険があります。
速筋繊維を鍛えるもうひとつのやり方として、長時間負荷をかけ続けるという方法もあり、これなら私たち一般人にも可能です。誰でもできるおすすめの腹筋と背筋のやり方をご紹介します。
【おすすめの腹筋】
- うつ伏せになってひざを曲げ手を頭の後ろで組む
- 背骨の頸椎や胸椎1個ずつ床からはがしていくイメージで状態を少しずつ上げる
- へそを見て数秒キープ(状態を全部起こす必要はない)
- 胸椎や頸椎1個1個を床に付けていイメージで状態をもとに戻す
実際に私が行っていたトレーニング法です。自宅で腰などを傷めずに(状態を全部起こさないから)負荷を与えることができます。
読んでいるだけではこのキツさは実感できないので試しにやってみてください。背骨の頸椎や胸椎の1個1個を意識しながら上体を起こすこと・戻すことこがこんなにもキツイのかと実感されるはずです。
限界を感じるまで行うのがポイントですよ。
【おすすめの背筋】
- うつ伏せになり両手をバンザイする
- 右手を天井に向けて上げると同時に左足も天井に向けて上げる
- 左手を天井に向けて上げると同時に右足も天井に向けて上げる
補助してくれる人がいなくてもこの方法なら鍛えることが可能です。背筋も限界を感じるまで行いましょう。腹筋だけ鍛えていると姿勢に偏りが生じるので腹筋と背筋はセットで行いましょう。
走るなら全力疾走で
速筋繊維を鍛える方法として無酸素運動をすることが挙げられます。走るのはお金がかからない、運動靴をはいて公園などへ行き人にぶつからない場所を選んで全力疾走(全力疾走をしているときは呼吸していません)してください。
筋肉量を維持する生活を
体脂肪計や体組成計は体型維持のためのひとつの目安、特にタニタの体組成計の評価は厳しめですが最新の知識を盛り込んでいることがわかりました。お伝えしたように加齢とともに筋肉量は低下し放置するとブヨブヨのモテない身体に変わってしまいます。
生涯素敵な人でいるために体型や筋肉量を維持する運動を生活に取り入れましょう。体組成計もご自身のモチベーションを上げるツールとして活用すると良いでしょう。